第355回「好きな人の出方をうかがったり、尽くしても上手くいかない訳は」

 

好きになった人に好きになってもらうためには、「好きな人のタイプになれば良い」というアドバイスがありますが、いざ行動に移すとなると困難を極めるものです。

相手に振り向いてもらうために、相手が望んでいる理想像に近づけようと努力することに喜びを覚えるならば言うことはありません。

しかしながら、大抵の場合は無理している自分に胸が苦しくなるもので、「その道を進むのはおやめなさい」という魂の警告を全身で感じ取るようになります。

相手の出方をうかがったり、相手の表情から一喜一憂される方は多いのではないでしょうか。

相手の立場になって取捨選択をされようという行動が間違っているとは言えません。

そもそも私達は「相手の立場になって物を考える」という教育を幼少時代から鍛錬してきているので自然な振る舞いでもありますし、思いやりのある人間である証です。

それなのに恋愛の場合はどうにもこうにも上手くいかないのは、「恋愛の主導権が相手側に偏っている」という要因が大きいのかもしれません。

先述したように、相手の好みのタイプを聴いて合わせようとしたり、相手に合わせて自分を出し続けることで、

「この人は、自分を好かれようとしていることが分かった。ぞんざいな態度を取っても引かれないだろう」という具合に、相手から下に見られてしまう危険性が高くなるわけです。

思いやっているつもりなのに、いつも機嫌をうかがうような姿勢が伝わってしまったら、相手に恋愛対象として意識される可能性が低くなってしまいます。

なぜならば、そこには「自分軸」が存在しなくなってしまっているからです。

常に相手のテンションに合わせて行動を選択すると言うのは、「自信がなくて魅力を感じない人」と映ってしまうものです。



そもそも相手の出方を見て動く方は、想像の世界で結論を導くという習性があるものです。

「機嫌が悪そうなのは自分があの時ああいう行動を起こしたからだ」
「こんな言葉を言われたのは、経験上脈なしに違いない」

と、相手側の表面上の行動から心理を読み取ろうとして、自分の頭の中の世界で意味を見出そうとするものです。


相手の本心というものは、目に見えた言動から全てを推測しきれないものです。


素っ気なかったり機嫌が悪いのは、あなた様に因果があるわけではなくて、別の事情があったのかもしれません。

自分を守るために、行動を起こすることで傷つく未来を回避しようとして、リスクの低い道を選ぼうとするものなのです。

だから考えれば考えるほど最悪の方向に想像を巡らせてしまうもので、「自分がどうしたいのか」という肝心な部分を押し殺すようになってしまいます。

 

「案ずるよりも産むが易し」という言葉のように、人生行動したもの勝ちです。

相手が何を考えているのか、どれだけ想像を重ねても的中させることは無理だと割り切って、「自分が今話しかけたいから話す」「連絡したいから連絡する」とシンプルに心の要求に従った方が断然上手くいくものです。

そもそも自分のアプローチやアピールを好意的に受け取ってくれないような相手ならば、縁がないもしくは相性が悪い相手だと判断できるものです。

想像の世界で答えを出すのではなくて、実際に気持ちを表現し続けても恋愛関係が進展しないのならば、諦めやすくなりますし、引きずることが少なくなります。

人がなぜ引きずるのかと言ったら、相手の立場を考えすぎで「本当は自分はこうしたい」という行動を起こさずじまいになって、未練を抱えることになるからです。

相手を尊重して、自分の立場も大切にするという「アサーティブ・コミュニケーション」のように、本気で好きになった相手だからこそ、「自分がどうしたいのか」という心の願望に目を背けずに、思い切って行動に移してみてください。

きっと心が楽になって、あの人との関係も未来に進めるはずです。

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