第185回「人生はやり直せるかを実践した結果-その11-」
※前回はこちら から
私が担当することになった日本語クラスは、日本語レベル5段階中の2で、まだ日本語を覚え始めたばかりの初級クラスでした。
韓国人と中国人といったアジア圏の学生がほとんどで、ケビンのようなアメリカ国籍の留学生は少数派でした。
日本語講師の小林先生は、まだ25歳という若い年齢で、4月に大学院修士課程を修了したばかりでした。
非常勤講師でしたが、9月からは名古屋にある大学院博士課程に進学するようです。
日本語ボランティアの学生は、私以外にも数人いました。
自己紹介で、
「今年の夏は、東京から富士山まで歩いて登山を成し遂げたいです!」
というバイタリティ溢れる発言を述べた渡邊さん。
彼もまた25歳の男性で、大学院修士課程2年生でした。
青山学院大学理工学部を現役卒業した後、1年自宅で浪人生活を送って、大学院に進学されました。
宇宙の研究をしている理系の学生です。
二人目は、高橋さんという女性です。
都内の女子大を卒業してから、東国原英夫著書『芸人学生 』に感銘を受けて、どうしてもこの大学に進学したいという強い思いから、
3浪の末に第二文学部(現在は廃止)に学士編入を果たされました。
なんとこの方も25歳でした。
この3人の25歳の先輩方との交流によって、私の世界観も大きく広がりました。
日本語授業は実にユニークな内容でした。
ただ単にテキストに沿って発語の練習をするというものだけではなくて、実際に外に出て日本文化を深めるというフィールドワークがメインになっていました。
ある時は、キャンパス内を歩き回って、学生相手に「東京のオススメ買い物スポット」を尋ねて、
クラスで発表をしたり、授業の集大成として秋葉原のメイド喫茶に行って、
経営者とそこで働くメイドさん達にインタビューを投げかけるという、実に濃厚なプログラムが用意されていました。
第二回目の授業では早速クラスメイト達で浅草に観光に行き、私は前回紹介したケビンと意気投合したのです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません