第185回「人生はやり直せるかを実践した結果-その7-」
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試験日の段階で、私の中ではもうこれ以上できないというくらいの問題量をこなしてきた達成感がありました。
あと1点で不合格になった後、過去問題集を数年分かき集めて、ひたすら解いて覚えて知識量を増やしてきたのです。
これで落ちたらもう諦めても後悔はないというくらいの境地に達していました。
満を持して試験問題を眺めると、思わず頭が真っ白になりそうになりました。
これまで一度も目にしたことがないような新出問題が並んでいたからです。
しょっぱなから動揺を隠しきれませんでしたが、ここで頓挫するわけには行けません。
背水の陣の私にとっては、絶対に負けられない戦いがそこにはありました。
全力を使い果たして満身創痍な私でしたが、自宅に帰ってきた後にすぐさま自己採点を行うと、なんとか合格ラインの8割は超えていました。
新出問題は半分くらいしか正解していませんでしたが、全体的には過去問のアレンジが大多数を占めていたので、総合点でカバー出来たわけです。
漢検はマークシート試験とは異なり、解答用紙に直接手書きで読みや漢字を記入するため、トメやハネまで正確に書けていないと問答無用で不正解にされるのですが、その点は心配していませんでした。
それは、これまで何度も漢検を受検してきた経験と、受検勉強の蓄積による自信からでした。
7月中旬、運命のインターネット合格発表の日です。
深呼吸をした後に、合否結果の右クリックを押すと、
漢検準1級合格おめでとうございます
という短すぎるけれども、1年前から渇望して思い描き続けた結末が瞬時に表示されました。
合格の喜びよりも、ようやく漢検受検から卒業できる安心感のようなものが勝っていたことを覚えています。
3度目の受検になると、合格しない方がおかしいし、ここまでやったんだから、絶対自分は合格できるという思い込みが習性になっていました。
合格という形を与えてもらったところで、「やっぱりそうだよね」という気持ちになっていたのです。
上昇気流という言葉が存在するように、漢検準1級に合格できたことで、その後の運命も変わり始めました。
※後日談ですが、6年後には漢字教育士の資格を取得し、現在では漢検協会の組織である漢検生涯学習ネットワーク会員及び漢字教育サポーターとして、漢字教育の普及のためにも活動を行っています。
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