第131回「私も忘れることができない過去を背負って生きています」その1 

実体験・人間考察コラム


「なぜTAKA氏さんは相談活動をするようになったのですか?」



このようなご質問をたびたび受けますが、その度に「私の原点」について、考えさせていただくきっかけになっています。


昔、自分が失恋で苦しんでいた時に、悩み相談サイトに相談を投稿したら、見知らぬ人が親身に回答してくれて救われた。

恋愛の失敗経験が多くて、立ち直るのに時間がかかったけど、この経験を悩んでいる方々の役に立てればという思いがきっかけになった。

   

このようなルーツをすぐに思い出しますが、心の中では、

「なぜ自分はこのようなことを続けているのか」、自問自答を繰り返してしまいます。


自分がやっていることは、偽善なんじゃないか。
 
自分が関わったことで、より悩みを増長させてしまった人もいる。

自分は弱い人間だし、仏のように澄んだ心は持っていない。



このような葛藤にしばしば駆られます。

 
私は神ではありません。

邪悪な心に従って、これまで散々身近な人間を傷つけてきたのです。
   

私は償わなければならない。

 
私が2年前まで相談者様からお金を一切いただかずに、活動を続けてきた本当の動機は他にもあるのです。
  
私も、みなさんと同じように、決して消えない過去を持っていて、その贖罪のために活動を続けてきました。


これから吐露する私の経歴を読むことで、幻滅してしまったり、失望してしまう方もいると思います。
   
それでも、見ず知らずの私に対して包み隠さず自分の過去を話してくださるみなさんに対して、

「TAKA氏」は強い人間ではなくて、拭いきれない過去を背負っている。
 
必死に生きている真実のTAKA氏を伝えたいというメッセージを込めます。

 
まずは暗黒時代につながっていった小学校時代から中学2年生までの過程を語りたいと思います。


恐らく、みなさんがイメージしているサイト上の「TAKA氏」像からは、想像しにくいであろう幼少時代を過ごしてきました。

 
私は、常に満たされない孤独を抱えていました。


そして、いつも自信がなくて、人間関係を築くことが誰よりも下手でした。

生まれた時から、両親は共働きで、一人っ子だった私は、学校が終わった後は家で一人で過ごす日々でした。

家の中の過ごし方といえば、大好きだった絵を描いていたり、ファミコンゲームに熱中していました。

現代風に言うと、「引きこもっていて、オタクのような」アフタースクールを過ごしていました。

かといって、年がら年中部屋に閉じこもっていたわけではありません。

片田舎で育っていた分、家の周りは、川・田んぼ・森など自然に囲まれていたので、昆虫採集や、冒険ごっこなどに夢中になったりもしていました。


こんな自分が、良好な友達関係を築くのが下手だと感じるようになったは、小学4年生からです。

小学3年生までは、人前でおちゃらけて目立つのが好きな快活な児童でした。

運動会や授業参観など、大勢が集まる会では、ここぞとばかりに、授業中にふざけた発言をしたり、即席ダンスを踊ったりして、周囲の注目をほしいままにしていました。

   
当時の通知表を振り返ってみると、3年までの担任のコメント欄には、

1年⇒「TAKA氏君は、落ち着きがありません。もう少し真面目になることも必要です」
 
2年⇒「その振る舞いから、女の子に迷惑をかけているようです」

3年⇒「真面目になる時と、ふざける時の切り替えが大切です」


といった、まるで問題児のような自分がそこにはいました。
   
正直、自分自身の当時の素行は、そこまで記憶には残っていませんが、思い出すのは、ミスタービーンのように、いたずらや悪ふざけをしょっちゅう繰り返していたやんちゃな姿です。


ところが、打って変わって、4年次の通知表のコメント欄には、次のようなコメントが記されていました。


「TAKA氏君は、人前で意見を述べるのを恐れているようです。もっと自信を持つことも大切です」



3年生までは、人前で自己アピールすることをアイデンティティの象徴にしていたようですが、4年生になってからは変貌を遂げてしまったかのような評価でした。

先生にことある毎に注意されていたから?
   
それも要因の一つだと思いますが、4年生からの友人関係が大きく影響していたようです。

   
4年生になって、初めて親友だと思えるような意気投合できる友人が出来ました。

彼の名前は、まさし君

彼は学期の途中にやってきた転校生でしたが、性格も良くて、頭が良くて、運動神経も良くて、しょっちゅう一緒に遊んでいました。

まさし君とは、私の自宅で初めて、子ども同士のお泊りも体験しました。

しだいに今までの友人関係で抱いたことはない感情を持つようになりました。

彼に近づけば近づくほど、嫉妬心や自分卑下の感情に苛まれるようになったのです。


まさし君は誰にでも優しかったので、彼と一対一で遊びたい他の男子クラスメイトも多数いました。

そのため、彼と遊ぶ約束の奪い合いで、喧嘩になったこともありました。

学校で他の男子と仲良くしている姿を見ると、「自分だけを見て欲しい」という独占欲と嫉妬から、なんともいえない感情に支配されるようになっていきました。
  
もともと学力もどちらかといって平均よりも低くて、運動神経がクラスで一位二位を争うくらい悪かった私ですから、自分よりも人気があって、頭も良くて運動ができる彼に激しい嫉妬を覚えるようになりました。

こうして、4年の終わりになると、当初あったような「一緒にいて楽しい」という純粋な気持ちが転換していて、傍にいるのが辛くなっていました。


彼は輝きすぎていました。

私は、無意識的にもいつも比較してしまっていて、自分の存在意義が見出せなくなっていたのです。

家に来ていた親戚が、私の前で、まさし君を褒めていた時に、あまりにも寂しくて、泣き出してしまったこともありました。

   
5年生になってクラス替えしたことから、まさし君とは距離を置くようになりました。

この頃から、人前で自分の感情をあらわにすることが極端に少なくなっていきました。
 
それでも、自分と意気投合できる人間を渇望していました。


すぐに別の友達が現れました。

名前をとおる君としましょう。

彼とはほぼ毎日放課後や休日も一緒に過ごしていましたし、ご家族にも親切にしていただいたのですが、一つだけひっかかっている点がありました。
 
それは、「いつも遊びの誘いをかけるのが自分から」ということでした。


いつしか内に秘めていた不満がとうとう爆発してしまいます。

5年生の終わりには、彼を遊びに誘うのは止めたのです。      
   
相手からも誘ってくることもなくなく、6年になってクラスが分かれたことを境に、彼とも仲たがいになっていきました。

 
とおる君も、まさし君のように相当成績が優秀だったので、心のどこかで出来ない自分と比較して、嫉妬している部分もありました。

 
近づきすぎれば、息苦しくなって、結局自分から離れていく友人関係が続きました。

   
6年生になってからは、ゆうすけ君という、話や手作りの小説も面白いし、女子にも人気がある男子と仲良くなりました。
  
私は絵を描くことや、ギャグストーリーを考えるのが好きだったのですが、ゆうすけ君の自作には、いつも胸を躍らされていました。

彼の才能や、可愛い女子にも好かれていることが羨ましくて、自分だけの傍にいて欲しくてたまりませんでした。


当たり前ですが、彼を自分だけに留めさせておくことはできませんでした。

彼とも対等な関係を築けなくなって行き、ギクシャクしていくようになります。


小学校生活を経て、思い通りにならない人の心に、苦しみ続けるようになりました。

仲たがいになったクラスメイトは、彼ら以外で3人や4人ではありません。
 
覚えているだけで、6人以上はいました。
   

相手が離れていったのではありません。

みんな自分から嫌になって、去っていきました。

そして、誰もそんな自分を追いかけてくれる人はいませんでした。

誰かに心を開いても、結局最後は一人になるんだ。

心のどこかで、「自分を追いかけてきて欲しい」と、試していた部分もありましたが、それはありえないことがわかった現実から、ますます他人に心を閉ざすようになっていきました。

その2に続く

Posted by TAKA