第179回「不安を自信に変えるための“ふり”」

上手くいかない人生

 



心の中では、いつも不安があります。
期待される演技が出来なかったらどうしよう、番組を降ろされるかも知れない、などという不安です。

でも、いつも自信のあるふりをすることを心がけています。

そして確信に満ちた態度で「やれます」と挑戦を引き受けること。

そして、それを証明してみせるために努力すること。

そのくり返しによって、やがて「ふり」だった自信が、体験によって本物の自信に変わっていきます。


ジュリア・ロバーツ の名言


今回は、第一線で活躍されている著名人の名言を取り上げて、今抱えている不安や悩みと向き合うためのヒントを考えて行きたいと思います。


まずは、アメリカ出身の名女優ジュリア・ロバーツの言葉です。

私が初めてこの言葉を目にした時、ジュリア・ロバーツほどのお方でも、常に不安と向き合っている意外性が印象的に映りました。

 「自信のあるふりを続けること」が、不安を解消するため、チャンスをつかむための根幹になっているとおっしゃっています。
 
目標を成し遂げるためには、チャンスを逃さずにつかめるか、自分を信じて継続できるかどうかにかかってきます。

特に新しい環境に身を投じることになったり、順調に続いていたことが傾き始めた時に、

こんな自分が上手くやっていけるのだろうか。

自分は周りよりも劣っているのではないか。

という不安に苛まれてしまい、他人の眼を気にしてしまったり、答えの出ない自問自答の連続から行動を起こすのが億劫になって、自信を失ってしまうスパイラルにはまってしまうわけです。

 
たとえ根拠がなくても、自分ならできると思い込んでチャレンジしてみる生き方と、どうせまた上手く行かないんだから、安全路線で現状維持を続けていようと引いてしまう思考とでは、どちらが自己実現を果たしやすいのかは想像の通りです。

 
未知なる世界への挑戦や選択は、不安があって当たり前。
 
そんな過程で自信があるふりだとしても、理想像を演じてでも振る舞っていけば、体験の積み重ねで、具現化して自分の核が作られていくのです。

 
何も難しいイメージではなくて、みなさん自身これまでの人生の中で一度は経験していると思います。
 
初めて自転車に乗った時、初めて人を好きになった時、初めて入試に挑戦した時、たとえ最初はうまくいかないと思っていても、勇気を出してトライしてみたら、得られるものがあったはずです。
 
生きることには、不安はつきものだけれども、そこで諦めずに努力の継続でチャンスと成功を掴んでいくというプロセスは、何も一流の俳優だけではなくて、万人にあてはまる法則であると言えます。
 



俺ってすごくポジティブな性格だけど、裏を返せば、実はすごく不安な性格なんですよ。

不安だから努力しようと思う。簡単に言えば強がっているんですよ。 

極端に言うと、僕の場合、無理をして先に人格を作っちゃうんですよね。


ヒーローとしての人格を作って、普段からそう振る舞うようにする。

それを続けでいたら、自分の本物と重なるんですよ。


作った人格が、本当の人格になるんです。

そうしたらほんまにカッコイイ本田圭佑ができあがるんですよ。

だから、一日一日が本当に大切になってくるんです。

本田圭佑の名言

 

次に掲げたのは、サッカー日本代表、イタリアの名門ACミランに所属する本田圭佑選手の言葉です。

そう、冒頭に紹介したジュリア・ロバーツが発したあの言葉と重なっています。

彼は時折インタビュー等で放つインパクトの強い発言から、“ビックマウス”と揶揄されることもしばしばありますが、単なる大ぼら吹きではなくて、しっかりと結果がついてきています。


彼はイタリアの前に、極寒の地ロシアで生活していました。

現地で親睦の深かった日本人は、恐らく奥さんと息子さんを除いてほとんどいない環境であったでしょうが、4年間もの歳月過ごしており、相当な忍耐力がうかがえます。

苦節の末、日本人初のACミランへの移籍と、エースナンバーの証明である10番獲得のチャンスをつかみ取ったのです。

1年目の移籍間もないシーズンこそくすんでいましたが、次のシーズンからは堰を切ったように記録を更新しています。
  
そんな強靭な精神力を持っているイメージが濃い彼ですら、自らを「不安な性格の持ち主である」と認めています。

不安だからこそ、対極的であるポジティブで能動的な自分を創造して、近づくための行動を弛まずに積み重ねています。

結果として、理想が現実に変わっていて、私達の知るあの本田圭佑が健在しているわけです。


上手くいくわけがない。どうせまだ過去と同じ繰り返しになるに決まっている。


もしもジュリア・ロバーツや本田圭佑が常にこのような思考回路で人生を取捨選択していたとしたら、私達が彼らの存在を知ることはなかったでしょう。

「なりたい自分像」をイメージングしながら、自分のできる範囲内で一歩一歩進んで行くことは、今日からでも始められます。

結果を杞憂するよりも、まずは動いてみること。

諦めないこと。
 
努力を惜しまないこと。

シンプルだけれども、確実に効果があるその原理原則を、両者の生きる背中から学べます。


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Posted by TAKA