第182回「バーンアウトに陥りそうになったら、SOSのサインを」

上手くいかない人生


「バーンアウト」というキーワードを耳にしたことがある方はいらっしゃるでしょうか。


医療・福祉・教育業界に携わっている人間ならば、誰しも一度は耳にしたことがある語句です。

一般的に馴染みがあるフレーズに言い換えると、バーンアウトは「燃え尽き証拠群」とも呼ばれています。


そう言うと、イメージが湧いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。


対人相手の業種ほど、バーンアウトに陥りやすいと言われています。


その要因は一概には言えませんが、他者に対して期待を込めて、一生懸命接しているわりに見返りが少ない関係が続く時や、全力で取り組んでも、目に見えた成果が得られない場合に生じることがあります。


バーンアウトの症状としては、無気力感が慢性的に続いて、休日になっても外に出るのが億劫になったり、他者への関心や反応が鈍くなったり、無頓着になるような状態になってしまいます。

自己否定感に苛まれるようになったり、思うように進まない現状を憂い、将来に希望を持てなくなるような鬱屈とした感情に支配されます。


殊に恋愛においても、バーンアウトに陥りやすい場面が多々生じます。


それは、相手の気持ちは自分の思うようにはならずに、期待が報われたなかった時の失望感や虚無感から、心がまいってしまうからとも言えます。


片思いだけではなくて、カップルになった後にも訪れる可能性が高いです。


自分はこんなに相手を想っているのに、全然変わってくれない。

どうして自分の気持ちをわかってくれないんだ。

これだけ頑張っているのに、どうして応えてくれないんだ。



自分の期待が相手の心に届かなかった時、目の前が真っ黒になってしまうこともあるでしょう。

バーンアウト状態に陥ってしまった時、弱み、ぼやきをどれだけ吐き出せるかが肝心になってきます。



自分はこれだけ哀しい思いを抱えている。

自分はこれだけ頑張ったんだ。

もう自分ひとりだけで抱えているのは限界だ。




人間は完璧ではありませんから、自分だけで乗り越えようとしてもやがて限界が訪れます。


その辛い思いを自分だけで抱え込もうとせずに、誰かにSOSを発したり、心のモヤモヤを吐露することが大事なんです。


自分一人だけで頑張り続けることを辞めることから始まります。



そうは言っても、みすぼらしい自分を誰かに開示したり、弱みを見せることで、相手に引かれてしまうし、誰かに話したところで何かが変わるわけないんじゃないかという気持ちが勝って、躊躇してしまうかもしれません。

私はこれまで話すことで、また明日への希望を取り戻して、前に進んでこられた方々を多数目にしてきました。


一人目~子育ての孤立化に打ちひしがれていた主婦が変わった瞬間~


Oさんは、引っ越してきたばかりで、周りに気ごころ許した人間はいませんでした。
 
頼りの夫は早朝から夜遅くまで仕事で不在のため、子育てを母独りで続けている日々でした。

一日中家で我が子とだけ過ごす生活は、可愛いだけでは片付けられずにストレスも増す一方でした。

Oさんは、発散方法が分からずに、子育ての仕方も暗中模索していましたが、ついに独りでは抱えきれないくらいのレベルに達していました。

Oさんが自信を取り戻すきっかけになったのも、心のSOSを第三者に話すことから始まりました。


今では両親やママ友の支援、休日の日には夫も家事を協力する等、多数の人間のサポートを受けています。

以前のように子育てに孤立していたOさんの姿はそこにはありません。


二人目~本当の私をわかってくれた男性に巡り合えたSさんの話~


ずっと会社の人間や友人の前では明るい女性や平然を装ってきたけれども、心の中ではいつも孤独感に震えていたSさんがいました。
 
ついに堪え切れなくなったSさんは、私のコラムに出逢ってくださった縁でお話しを聴かせていただきました。

「寂しい。心を通わせる友人やパートナーに巡り逢いたい!」
 
と涙ながらに口に出されたことで、運命は確実に変わり始めました。


その四か月後には、Sさんを包み込んでくれる最愛のパートナーに出逢うことが出来たのです。


三人目~自分だけ試験に不合格になってしまい、周りに置いて行かれた孤独感と焦燥感を乗り越えたNさんの話~


自分の将来がかかっていた社会福祉士試験に敗れてしまい、周囲の同級生たちは全員合格して、自分の夢見た世界に一足先に旅立ってしまった孤独感や疎外感に浸かっていたNさんという女性いらっしゃいました。

社会福祉士試験を受験する気力どころか、福祉の業界に対する情熱すら見失っていたようですが、心の内を吐露されたことで、改めて試験への決意が強くなったようで、見事に翌年の試験には合格を果たされていました。



誰かに話をしてみるっていいものですよ。

ストレスの重圧に耐えられなくなった時、私も、そうしています。

可能ならば私がこのコラムをご覧のみなさん全員の話をうかがえれば良いのですが、私の受容できる範囲内でお聴きすることもできます。
 
回数制限ありの相談室生通話カウンセリング・メールサービスという対応になりますが、必要であれば私も力になります。


話したい時には、メールやSNS経由ではなくて、直接的なやり取りをオススメしています。

文字と対面では、心に響くものやカタルシス効果が違います。

そうして、話を聴いてくれた人間に対して、今度は自分が相手を支援できるようなスタンスでいてあげてください。


両者に流れる温かい感情から、何かが変わり始めます。

Posted by TAKA