第304回「ハロウィンの夜に、30代男性が見た渋谷の若者の実態」

2015年11月30日実体験・人間考察コラムハロウィン,仮装,渋谷

10月31日ハロウィンの日、みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか?

近年、ハロウィンデーは国内行事のように盛り上がるようになりましたよね。

その代表が、一般人による仮装行為です。

ここ数日でみなさんも関連ニュースを目や耳にしたことがあると思いますが、東京の渋谷はまさにお祭り騒ぎでした。

問われるマナー問題、主催者不在による無秩序な空間、警察への暴力行為すら発展など、この異様な光景がニュースとして世界中を駆け巡りました。

かくいう私もハロウィンの日に現場に身を投じていたのです。

そこで今回は、現場で目にした光景や、感想を掘り起こしてまとめてみました。

あくまでも仮装者としての観点ではなくて、一般人参加者としての目線です。


時刻は18時30分から21時くらいまでで、滞在時間は2時間30分ほどでした。

上記写真は19時頃に撮影したセンター街スクランブル交差点付近での光景です。

この日は渋谷近くの大学の学園祭で講演会が催されて、後輩と二人で参加していました。

その帰りに一人になった私が渋谷に立ち寄ったのでした。

ちなみに昼の時点での電車内でも、仮装者達の姿がちらほら目立ちました。

ハロウィン渋谷での仮装状況は、昨年のニュースやネットで把握していましたが、いざ自分がその場に参加してみると、その熱気にすぐに飲み込まれそうになりました。

とにかく見渡す限り人人人です。

時間が遅くなればなるほど、止めどなく仮装人間が増えてきます。

ゾンビを彷彿とさせるように、顔中をペインティングをした若い女性だけではなくて、ラブライブのμ’sやワンピースのエースのようなキャラコスプレで闊歩している男女も目に入りました。

「目立ちたい!注目を浴びたい」という無言のオーラがビンビン伝わってきます。

全体的に10代後半から20代前半までの若年層が印象的でした。


 

この写真のように(ミスタービーン)、外国人の参加者も複数見られました。

女装男子、男装女子、ゾンビ、キャラコス、着ぐるみ、とにかく現場はなんでもありの状況です。

右を向けば仮装、左を向けば仮装です。

2時間以上も滞在していたのに、あまりの混雑具合で歩くことすらままらない状態でした。

そのため、行動範囲はハチ公前周辺に限られました。

怖い目に遭った方もいたようですが、幸いなことに私は被害はありませんでした。

私はボストンバッグを肩にかけながら歩いていましたが、通行人にぶつかりまくって、破損してしまうかもしれないという危機に常に襲われたくらいです。

靴も何度も踏まれましたね。

おかげで身も鞄も無傷で済みましたが、一晩中いたらどうなっていたのかは分かりません。

「どけどけどけ~い」という掛け声で突進してくるゾンビ男子グループもいれば、肩車をしながら笛を吹いて注目をほしいままにしている女装男子もいました。

とにかく、みんなハイテンションです。

それはそのはず、みんな楽しみたいからわざわざ扮装してやってきたのですから。

そして際立ったのが、初対面でも声をかければすぐに意気投合できるムードです。


私も10組以上の仮装者と記念撮影をしましたが、仮装同士は更に親密に盛り上がっていました。

ポケモンの世界ではありませんが、目と目が合えば交流が始まります。

合言葉の「写真を撮らせてください」が至るところで木霊しています。

まるで、人類みな兄弟と言わんばかりの打ち解けぶりです。

自分の同じキャラクターの仮装者を見つければ、興奮度もMAXです。

男女こもごも昔からの仲間のようにはしゃぎながらトークを交わしていました。

この初対面同士が即時に意気投合できるのが仮装の特徴でしょう。

日常生活ならば、まずあり得ない光景です。

どこの馬の骨だかわからぬ人間に自ら声をかける人間などそういません。

また逆もしかりで、他人に話しかけられても、十中八九相手にしないでしょう。

その点でいかにこの世界が特殊であるのかがうかがえます。

中には、言葉を使わずとも、すれ違った瞬間、いきなりハイタッチで即写真撮影という流れに展開していた者もいたくらいです。

お互いの共通点(この場合は仮装)というものがいかにコミュニケーションをする上で肝心であるのかが端的に伝わります。

もちろん、ナンパと呼ばれる行為を目的にした人間にとっても好条件です。

日常生活では声をかけて無視をされることが当たり前の世界ですが、この日の渋谷という特殊な舞台では、誰一人としてスルーする者は存在していません。

それもかわいい子やイケメンが揃いに揃っている絶好のシチュエーションです。

仮装に扮した肉食系男子は、ハイエナのように次から次へとかわいい女性達に声をかけて、勢いに任せながら、連絡先を交換している光景も見られました。

女子の中でも、明らかに声をかけてもらえるのを待っているような待機組もいました。

女子も受け手に回るだけではなくて、自分からどんどん声をかけていました。

女子高生の仮装組は、イケメン仮装者にキャッキャ声をかけながら撮影をお願いして、

「あの人超イケメンだったよね~」と友達同士で品評会を行っていました。

すぐにLINEやツイッターで画像を投稿して、仲間に報告をしているようでした。

インスタントの出逢いに結びつけられるこの環境は男女にとってもってこいの空間だったことでしょう。


これほどの社会的影響を見ると、来年以降更に規模も拡大するでしょうし、何らかの事件性のリスクも上がると思われます。

いつもとは違う自分で新しい行動を起こしたい。

自分と似た人間に出逢いたいという目的を持った人間にはもってこいの場だったことでしょう。

「人に認められたい」

「みんなで集まれば怖くない」

集団心理と承認欲求に駆られた若者達の生の姿を目の当たりにした私のレポートでした。

2015年11月30日

Posted by TAKA