第266回「自分を好いてくれる人間を見下したり、拒絶してしまう心理は」
あなたの恋愛がうまくいかない本当の理由 ~傷ついた心を癒す恋愛セラピー~ (マイナビ文庫)
出逢いを求めているのに、理想の相手に出逢えない。
前回のコラムでもテーマにしましたが、そもそも出逢いすらないことを嘆いている方は少なくはありません。
そんな中、出逢いの場にあししげく通っているのに、
いつまで経っても理想なパートナーに巡り会えないことを悩んでいる方がいらっしゃいます。
特に真剣に結婚を考えている女性側からの声が多いのです。
街コンや婚活パーティーなどに週末ごとに参加していて、延べ50回ほど参加しているのに、
結婚を考えられるほどの存在がいない。
このように、出逢いの場を有効活用して、たくさんの異性に知り合って、好意すら持ってもらえるものの、
満たされない心を持ったまま新しい出逢いを探し続けている女性の姿を見てきました。
相手から好意を持ってもらえるのに、心が動かない。
タイプじゃないからという理由もありますが、よくよく耳を傾けるともっと深い部分に要因があることに気づきました。
それは、相手の問題点というよりも、自分自身の心にあるのです。
自分を認められていない。
自分に魅力を感じられていない。
自分に自信がない。
お話をうかがっていると、この3点が切実に伝わってくるのです。
幸せになりたい。でも、こんな自分が幸せになってはいけないのではないかという矛盾した葛藤を秘めているのです。
ありのままの自分を認めらあげられること、自分を愛してあげられていないことには、
他人を受容すること自体が難しくなってしまうのです。
私のことを好きになるなんて、下心があるのじゃないか。
よほど女性に飢えているモテない男性なのね。
好意の返報性という言葉がありますが、その逆で、好きになってくれた異性に嫌悪感を覚えたり、
見下すような発言すらみせてしまうのです。
よく、自分を大切にしてくれない振り回してしまうような男性(いわゆるダメンズ)
を好きになる女性の心理に共通している点もあります。
自己肯定感が少ないほど、愛してくれない男性に夢中になってしまい、
類は友を呼ぶように、そういう男性が目をつけて傍にやってくるのです。
人から愛されたいのに、愛してくれる人を拒絶してしまう心理の裏には、自己受容の否定が響いている。
婚活や恋活が空回りしている背景に、そのような思いがあるかどうかを一度自問自答してみることが大切です。
案外、自分では根の部分を気付いていなかったり、見て見ぬふりをして、
上手くいかない要因を相手になすりつけている方が多いものです。
心の隙間を満たすために理想の異性を求めているから、期待が叶わなかった際に、
ますます自信喪失をしてしまうという悪循環を繰り返してしまうのです。
一方で、幸せになれるチャンスをみすみす逃している別の理由としても、この自己否定が絡んでいます。
先の50回以上出逢いのイベントに参加しても巡り会えない女性は、実は以前本気で好きになった男性がいました。
将来を誓い合った仲で、婚約までしていましたが、直前で男性に他に好きな女性が出来て婚約破棄になったのです。
それから「幸せになるのが怖い。自分は他人に愛される資格がない」という固定観念が植えつけられたようでした。
男性に好意を持たれても、また同じ悲劇の繰り返しになってしまうからと、ブレーキを踏んでいたのでした。
そんな彼女も時間をかけて自分の本音を吐き出すことで、心が整理された様子です。
「婚約破棄した男性のことが常にありましたが、もともと縁がなかったのですよね。
結婚前に分かって良かったです。」
彼女はついに辛い過去を手放すことが出来たのです。
それから彼女は街コンで知り合ったある男性と初めて向き合うようになって、上手くいくようになったようです。
どれだけ人に話せない過去や成育歴があったとしても、世の中にはその経験を認めて、
好きになってくれる人間がいるものです。
ありのままの自分で十分愛されるし、生きている価値がある。
そう心から認められた時に、求めている幸せが形になるのです。
※今回の女性の事例は無料相談期間に公開了承済みなものです。
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