第257回「嫌になったらブロック、スルーせずに続けてみる」
「めんどくさい」がなくなる本 鶴田 豊和著
第253回「恋愛離れの理由が面倒だからという調査結果はチャンスの表れ」 でも紹介したように、恋人が欲しいと思えない理由の約5割が「面倒だから」というものでした。
確かに、対人関係を構築するすることほど時間や労力がかかるものはありません。
恋愛の場合は加えて努力をしてアプローチしたからと言って、必ず報われるという保証がないどころか、振り向いてくれない可能性の方が多いことを若者は知っているからでしょう。
好きになったら、傷が深くならないうちに告白して、ダメなら絶縁するという選択を取る人間も少なくはありません。
ストーカーのように一人の異性を追い続けるよりも、短期勝負で白黒つけた方が潔いという風潮から、
まだ相手との関係が温まっていないうちに自分の気持ちだけを前面に出して見切ってしまうのです。
コミュニケーションの基本媒体として、LINEやネットが欠かせない時代になっているように、一にも二にも便利さとスピーディさに頼ってしまう習慣が当たり前になっています。
人間関係が煩わしくなったり、面倒になったら、すぐに関係を遮断できる手軽さを使いこなせるようになりました。
面と向かってNOと突きつけなくとも、
既読スルー、ブロック、メール無視、フォロー外しをすれば、間接的に相手に拒絶感を示すことが出来るのです。
当たって砕けたら即次に行けばいい。
思い通りにならないなら、こっちからブロックすればいい。
このような時代の流れに沿った考え自体は否定しません。
それで気持ちが切り替えられるならば、人生を有効活用できるでしょうし、ブロックすることで自分自身が前向きに進めるのならば、捨てる勇気も英断だからです。
ただ、面倒な人間関係にあえて取り組んでみないと得られない感動があるのも事実です。
私の友人のB君は、出逢ってから3ヶ月間好きになった女性にアプローチしましたが、告白どころか二人きりのデートすら応じてもらえず、頭を抱えていました。
苦悩を重ねたB君は、それでも本気になれたからと、2年越しのアピールでやっとデートに誘うことに成功しました。
それから更に1年をかけて、10回ほど二人で逢い続けたところ、ようやく告白を受け入れてもらえたのです。
お相手の女性はB君の好意には当初から気づいていたものの、自分の気持ちが恋愛モードに切り替わるまでに2年ほどかかったとのことでした。
女子高・女子大育ちだった彼女は恋愛経験が少なくて、時間をかけて相手の人間性を見定めないと、GOサインを出せないという理由があったようです。
2年はかかりすぎだと思うかもしれませんが、深い関係を築くのには時間がかかるものです。
人の心はそうすぐには変わらないからです。
そこで結果を重視したスピーディーさを前提においてしまうと、現実とのギャップに苦しむことになるわけです。
面倒な関係を避けるということは、建前の関係でしか人と向き合えない生き方が増えてくるとも言えます。
確かに傷つくことはないかもしれませんが、本音を隠し続けて後悔のない人生を満喫できるでしょうか。
時間をかけて真剣に向き合った人間には必ずと言って共通するご褒美が待っています。
B君のように想いが報われる例がそうですが、たとえその時は実らなくても、数年後に相手から告白されるという展開もありますし、玉砕した後に新しい縁が訪れるのです。
もしも不本意ながら可能性の芽を自ら摘もうとしているのならば、そこで勝手に諦めずに、時間をかけて関係を育ててみませんか?
本音でぶつかりあうことは今のこのご時勢だからこそカッコイイですよ。
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