第33回「本気で死を選ぼうとしたその先には-片思いから壊れていく心-」その2
先輩によると、彼女は年上の彼氏と付き合っているものの、今は関係がギクシャクしており、別れる別れないの葛藤を繰り返している日々だということでした。
付き合って1年、そして7歳も年上の社会人の彼氏がいたショックと同時に、情報を提供してくれた先輩が、自分の知らないところで彼女とやりとりしていた事実は衝撃が大きすぎました。
自分は彼女にとって寂しさを埋めるための道具だったのじゃないか。
自分を弄んでいる彼女。
優しさを逆手にとって、期待させるメールを送ってきたり、頼ってきたり、魔性の女だったんだ。
憎しみと邪推が抑制できないほどやり場のない想いは膨張していました。
彼女に彼氏がいるというのは薄々予感はしていました。
彼女の飾らない人柄さに惹かれる男性が他にいるのも当然です。
けれども、「自分だけを見てほしい」独占欲に駆られて、目を向けないようにしていただけでした。
そして他でもない先輩も彼女を狙っていたそうなのです。
幸いといっていいか複雑ですが、彼女が彼氏と別れる別れないか甲乙つけられない優柔不断さに嫌気がさし、見切りをつけたらしいです。
彼女が裏で複数の男性とやり取りしていた事実は重くのしかかりました。
自分はただの心の隙間を埋める駒だったのか。
知ってしまった今、もう昨日までの日常には戻れない。
その夜、全てを覚悟した自分は、彼女に電話をかけました。
先輩から聞いた情報の真偽と過去を問いただしました。
本当のことを知ったらもう今までの関係をには戻れなくなるかもしれない。
そのリスクを分かっていても、聞かずにはいられませんでした。
でないと自分してきたこと全てが否定されるような気がして怖かったのです。
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