第91回「彼女いない歴=年齢の青年に恋人ができて結婚するまで」

2015年12月2日実体験・人間考察コラム


今回お話する内容は、学生時代から異性を好きになっても、自信のなさからいつも行動を起こせずに一度も成就しなかった青年が、心機一転社会人になってから恋愛運がアップして、運命が一変した過程を描いた実話です。


私の高校時代からの友人でS君という男性がいます。

S君には今、結婚3年目のパートナーが存在します。

彼女との出逢いは同じ会社で、恋愛結婚で現在に至ります。

S君は、25歳まで女性と付き合ったことがありませんでした。

周りから見れば、遅咲きと呼ばれる部類かもしれません。

女性に縁がなかったと言えばそれまでですが、それまで好きになった女性はいたのですが、いつも片思い失恋で終わっていたのです。

S君は高校時代に4人ほど好きになった女性がいましたが、いずれも告白までたどり着けずに、一方的な片思いで終わらせていました。

S君は外見や性格も含めて自信がなかったのに加えて、好きになった女性が共通して他の男性からも人気がある、いわゆる“モテてかわいい子”だったので「俺なんかには高嶺の花だ」と、いつも諦めていました。


そんなS君ですが、大学に入学後、好きになった女性が2人現れました。

1人目は同じ学科の同級生。

3年越しの片思いで、告白すらできずに後悔してきた過去から脱却するために、大学3年次に初告白しました。

S君が21歳になった秋の出来事でした。

S君は電話やメールなどの間接的なツールに頼らずに、直接意中の女性をデートに誘った帰りに、自分の口から伝えたのです。

S君の想いは成就しませんでした。

「友達としてはいいんだけれども」というお決まりの文句だったそうです。

その後S君は悲しみに埋もれるわけでもなく、大学4年になって、今度は違う学科の同級生の女性を好きになりました。

 S君はその女性と一度も話したことがなかったそうですが、通学列車の中でたびたび目撃したことから、意識するようになりました。
 
しかしながら、何しろ他学科というのもあって、キャンパスでは接点もなく、お近づきになれるチャンスを見出せずにいました。
 
卒業も残りわずかになって、

「時間がない。ここで動かなかったらもう会うことはなくなってしまう」と、焦燥感に駆られたS君は、なんと通学列車の中で見かけた彼女に勇気を出して、こう 話しかけたのです。

「同じ大学のSと言います。前からあなたのことを気になっていました。友達になりませんか」

彼女は面識もない男性から唐突に話しかけられた展開に驚き、逃げるように別の車両に移動してしまったそうです。


その後S君は卒業まで彼女と顔を合わせることがなくなったそうですが、自己満足に浸っていました。
 
傍から見れば「ストーカー気質があるのではないか」という印象を持つ方もいるでしょう。

けれども、不器用かもしれませんが、テクニックやアピール方法が分からずに、思いついたまま行動を起こしたS君は、高校時代に何もできないまま後悔を重ねてきた自分を変えるためにがむしゃらだったのです。

S君はそれ以上彼女を追いませんでした。


彼女いない歴=年齢だったS君は、大学卒業後の新天地で運命が変わりました。

女性が9割の職場に正社員で入社したのですが、男は自分を含めて2人だけという環境から、必然的に女性と交わすようになって、接することに慣れていったようです。

それから2年後の25歳になった冬に、S君は同僚である年下の女性に告白されて、はじめて付き合ったのです。
 
S君自身が本気になれずに、半年ほどで別れてしまったそうですが、その3か月後には新しい彼女ができました。
 
その相手こそ今のパートナーです。

社内恋愛なので振られた時のリスクも分かっているし、女性の職場なので、すぐに噂などが広まってやりづらい思いをするかもしれない危惧もあったそうですが、何より想いの強さと後悔したくない念が勝って、自分から告白したそうです。

結果はその場でOKで、その日から付き合うことになりました。
 
交際2年を経て、見事にゴールインするのです。

学生時代に失敗や後悔を繰り返してきたS君ですが、孤独と自己卑下を乗り越えて、行動したことによって、同じ過ちを繰り返さずに最愛の伴侶をゲットできたのです。

S君は昔から「外見が女っぽい」とかバカにされてきたり、ニキビ面であることを悩み続けてきたのですが、そんなS君を好意的に受け止めて、理解してくれる人間に出逢えたのです。

今ではニキビの面影は見当たりませんし、家庭を持って精悍な面持ちになりました。


S君の軌跡を見ていると、

「不細工だから恋愛はできない」

とか、

「20代以降で付き合ったことがなかったら、もう恋愛は絶望的だ」

なんていうのは言い訳は思い込みであることを教えてもらえるのです。
 

2015年12月2日

Posted by TAKA