第111回「好きになってはいけない人を好きになる心理」

2015年11月30日上手くいかない片思い

これまで掲示板、マイナビニュースQ&A、メール相談を含めて、約3500名の相談者様と向き合ってきましたが、傍から見て達成困難な片思いに悩まれている方々は実に多いです。

恋人がいる異性を好きになった。
仲の良い異性の友達を好きになった。
他にもライバルがたくさんいるモテる異性を好きになった。

このような間柄の異性を好きになって、自分なりにアプローチしているものの、思うように進まずに、諦めた方が良いのか、まだ努力が足りないのか、気持ちを切り替えられずに苦しんでいる姿が目立ちます。

全く相手にされていないのならば早いうちから撤退できるけれども、場面場面で垣間見せてくれた優しさが脳裏に焼き付いていて、「もしかしたら」を期待してしまうと、どうしても諦められなくて葛藤を続けているのです。

恋人とはうまくいっていないようで、自分と二人で会ってくれるし、会うと不満や悩みを話してくれる。


それまで仲が良い友達だっただけに、自分を特別視してくれているような瞬間があって、期待が膨らんでしまう。


こんな妄想が度重なると、「こんな自分でもなんとかなるのかな」と、やる気スイッチがONになってしまうものです。

でも、実際には相手の目線が自分には向いていないために、切なさと無気力感を覚えるのです。

一般的に、好きになった相手は、複数の異性に言い寄られているために態度に余裕がある場合が多いです。


中には、本人に自覚がなくて、天性の性格から、思わせぶりと思えるような振る舞いで翻弄されてしまうこともあります。


いわゆる天然という性格の持ち主でしょうか。(一部には計算して演じている魔性の女・男と呼ばれる輩もいますが)

私もかつて、二人きりで頻繁に会って、深い話もたくさんして、手もつなげたし、いい感じの雰囲気になったのに、いざ告白をしたら、「友達としては良いんだけれども、ゴメンね」の決まり文句で一線を引かれたこともありました。

「友達としての好き」と「恋愛関係としての好き」の何が違うのか!!と、グレた時期もありました。

一度でもおいしい思いを味わうと、執着心が芽生えて、「あれだけ仲良くなれたのだから、がんばればうまくいくのではないか」という妄想と期待感に支配されがちです。

その結果、浮き沈みに悩むことになるのです。

「自分から告白を続けて、やっと恋人関係になれたものの、相手にほったらかしにされて、不満から別れるようになった」


という、カップルの話も聴いてきました。

そう考えると、上手くいかない片思いの相手と成就する可能性は、少ないのかもしれません。


しかし、成就の是非よりも、大切なのは、どこまで自分が納得して想いを貫き通せるかです。

私も話を聴いていて、「これは恋愛成就する可能性は限りなく低いな」と感じる相談ケースに対して、「辞めなさい・諦めなさい」と釘をさしたことはありませんでした。

ダメだと分かっていても、次に進むためにやれるところまで最善を尽くしてみる人間は、たとえ成就しなくても、その後幸せなパートナーにめぐり合える可能性が高かったです。

反対に、

「この人しかいない」

「この人に見捨てられたら自分の存在価値はなくなる」

といった理由で相手に執着している方は、残念ながら、生き生きとした人生を送れていない様子が伝わってきます。

今、夢中になっている異性だけが世の中の全てではない。


たとえ、叶わなくとも、その後に素敵な出会いが待っている。

そのように執恋から脱却できれば、きっと事態が好転して行くはずです。

2015年11月30日

Posted by TAKA