第122回「インプットとアウトプットの繰り返しで、失恋から立ち直る」 

2015年12月2日失恋した心に贈る


失恋の無気力感や絶望感は、味わった人にしかわからないくらい打撃が大きいです。
 
どん底の中で残っている、

「この苦しみから解放されるために復縁したい、新しい恋愛をしたい」

という欲求がただちに叶うことはほとんどありません。


この辛さから脱却するために、私は失恋博士になる道をオススメします。


失恋博士?はぁ?(呆怒)

人がこんなにも苦しくて、のた打ち回っているって言うのに、何ほざいてんの!?


突拍子もない発言から、怒りを覚えた方もいるかもしれませんが、今回このコラムに目を通してしまったことでご容赦いただき、少しだけ私の老婆心にお付き合いいただければ幸いです。

失恋から立ち直るための手段として、徹底的に失恋に浸り続ける効果=失恋博士の効果を私自身が失恋の度に実証しています。

  
失恋した後は、仕事や学校に身を投じていても、相手のことを忘れられないくらいの楽しい思い出やら後悔やらの念がつきまとうのは、みなさんも同様だと思います。

もちろん、私も24時間、睡眠以外(その睡眠中ですら夢に登場してうなされましたが)、呪縛のように好きだった人のことが忘れられずに、もがき苦しんでいました。
 
仕事中も、友達と会っていても、もしかしたら連絡が来るかもしれないと、期待から何度もこっそり携帯をチェックしていました。
 
家に帰ったら帰ったらで、心の虚無感と孤独感を癒すために、ネットの世界に足を伸ばしました。

ここで、私の性格に見られる粘着質と、こだわりぶりが発揮されます。


失恋博士になるために、一日にどのくらいの要したと思いますか?

平日は最低2時間、多い時は深夜遅くまで6時間くらい。

休日は8~10時間くらい失恋に関するサイトを徘徊していました。

YHAOO!知恵袋、教えてgoo、OKweb、mixi、悩み相談サイト、2ch等、思いつくままに失恋キーワードを入力しながら復縁サイトや、立ち直り方の指南サイト、同じように失恋に苦しむ人々が集うトピックをリロードして、情報を求め続けました。

インターネットだけに留まらず、精神科医の著作や、復縁本などの書物も読み漁りました。
 
サイトや書籍を目にする度に、「もしかしたら」と、「もうダメかも」の期待と絶望を行き来していたのです。


こんな生活を三ヶ月くらい毎日続けていると、どのような変化が生じると思いますか。


一つには、飽きが生じてくることが上げられます。

実はこれが、一番の効果とも言えます。

毎日毎日失恋情報を調べ続けていると、単純に新鮮味がなくなってきて、閲覧する時間が減ってくるのです。

過去に想いを馳せていても、変化のなさ具合から関心は徐々に薄れていくのです。

それもそのはず、もう過去は終わっているからです。


人は新しい刺激を欲する習性がありますから、陳腐化された過去には興が失せていくのです。

人の細胞は三ヶ月から四ヶ月くらいで一巡するとも言われているように、思考も徐々に変化します。

三ヶ月くらいの時間では、完全に切り替えられませんでしたが、二つ目の変化に移行するようになります。

このくらいの時期になると、あの人に再アプローチしたくなるのです。

三ヶ月もの冷却期間を経て、失恋サイトをこれだけ研究して、新しい知識が蓄えられている自分ならば、

「もしかしたら、あの人と連絡して上手くいくのかもしれない」

という目論見が芽生えるのです。


そうしてメールで久しぶりに連絡したり、会いに行くと、あの頃とは別人のようになっていることを知り、なんともいえない新しい感情が心に芽生えるようになります。

現実のあの人を知って、もう、そろそろ引き時かなと、素直には納得できないものの、諦めのギアに切り替わるのです。

連絡するまでは、自分ひとりで失恋と向き合って、かすかな期待に向けて日々を送っていたものの、再会して変わり果てたあの人を見て、自分の出る幕ではないと、諦めざるを得ない心境に陥るのです。

しばらくは名残のように失恋関連サイトの閲覧も続きますが、さらに数十日も経てば、これまで依存症のように毎日膨大なサイトを閲覧していたのが嘘だったかのように、開かなくなりました。


これまでの自分の経験を、同じような失恋に苦しむ方のお役に立てるために、コラムや相談室に訪れる恋愛に苦しんでいる方への回答へと昇華するのです。
 
私の中では、これら一連の過程によって、一つの恋にピリオドを打てたと自覚できるのです。


これまでの流れをまとめると、

失恋の情報を蓄える(インプットする)→連絡する(アウトプットする)→また情報を得る(インプット)→コラムを書く(アウトプットする)

というように、インプットとアウトプットの繰り返しで、少しずつ気持ちが移り変わっていきました。

失恋にどっぷりと浸かりきる失恋博士を堪能した後には新しい自分が待っていますよ。

2015年12月2日

Posted by TAKA