第10回「恋愛に疲れ果ててしまったら」

2015年12月3日失恋した心に贈る


もう何もかも疲れちゃったよ……


大好きな人に別れを告げられた。

好きだった相手のことを引きずり続けて、いつになっても忘れらない。

もう2年以上も一人の相手に片思いし続けている。

何度も何度も告白しても受け入れてもらえていない。

このような状況に置かれているとしたら、言うまでもなく何もかもに疲れて果ててしまうでしょう。

どんなに相手のことを想い続けても、必ずしも相手に気持ちが届くわけではありません。

相手のために出来る限りのことを尽くしたからといって、相手にとって必要とされる存在になれるとは限らないのです。

「過去と他人は変えられない」と言われているように、人間の気持ちほど複雑で思い通りにならないものはないですよね。

世の中には出会ってすぐに付き合い始めるカップルもいれば、あれほど愛し合えた唯一の人だったのに、破局後にあっという間に新しい恋人が出来てしまうような受け入れがたい現実もあります。

恋愛が上手くいっていない人からすれば、

「世の中なんて不平等で、なんで自分だけこんなにも辛い思いをしなければいけないんだ」

「どうして世の中上手くいかない事ばかりなんだ。もう考えるのも疲れたよ」

と、現実に嫌気がさす失望の連続。

世間では「プラス思考」や「ポジティブシンキング」という言葉が溢れかえっています。

 一度書店に足を運べば、PHP研究所、三笠書房、知的生き方文庫などの文庫本コーナーに必ずその系統のタイトルの本が一冊は目につくでしょう。

こういう類の本が売れている背景には、マイナス思考や後ろ向きな人生を送っている人間が現代社会に多々存在しているという実態がうかがえます。

″ネガティブな感情を捨て、常にポジティブな感情を持つべきである″

このような風潮が浮き彫りになっています。

でも、私は恋愛や日々の生活に疲れ果ててしまった時に、無理に前向きになろうとする必要はないと思っています。

失恋した時、大失敗をした時、叶わぬ恋を痛感した時、どうすることもできない状況になってしまった時……辛いです。

頑張っても頑張っても空回りして、思い通りにならないのですから、あの人の心がもはや自分に向いてないことがわかってしまったのですから……辛くて当たり前です。

現在、あなたは辛くても切なくても、それでも相手のことが好きで好きで諦められず、夜な夜な暗欝とした想いに縛られているエンドレスな日々に苦悩している最中かもしれません。

周りの人間から、

「気持ち切り替えて次に行こう」

とか、

「お前にはもっといい人がいる、忘れなよ」

とか認めたくない言葉を投げかけられているかもしれません。

そんな時は返って追い討ちをかけられるようで凹んでしまうものですよね。

どうすることも出来ない自分に無力を感じたり、「諦める」「諦めない」の心の葛藤で、身も心も疲れ果ててしまった時、周りの人間が何を言ってきようとも、自分の気持ちを大切にしてください。

一人の人間のことをそこまで好きになれる気持ち、本当にすごいことなんです。

嫌になったら、諦めてすぐに次に目を向けているモラトリアム思考の人間が増えて きている中、一人の人間をそこまで想えるあなたはすごい忍耐力です。

自分の気持ちに嘘をついてまで忘れて欲しくはないです。

友達として、理解者として、無理にあなたが振舞ってる姿を見てるのは辛いから。
 
元気になろうと振舞っても、空回りして虚しくなるだけだから……。

大切なあなただから、素直な気持ちで接して欲しい。

「時間薬」という言葉があるように、時は最大の特効薬です。
 
疲れた心を時の流れるままに任せて休ませてあげてください。

あんなに一人の人間を好きでいられたんだから。

そこまで人を好きになれたあなたが幸せになれないはずがありません。

恋愛に疲れ果てた時、投げやりになったり、愚痴をはいたり、部屋に閉じこもってっと悲しみに浸って泣き続けていてもいいんです。

でも、これだけは忘れないでください。
 
自分の殻に閉じこもって、誰も自分を救ってくれないと悲観的になるかもしれませんが、あなたの周りにはあなたを支えてくれる人間がたくさんいるのですから。

今まで自身で出来る限りの挑戦を敢行してきたのですから、今度は他者の呼び声に耳を傾ける時間を設けてみませんか。

一人で悩まないで、信頼出来るあの人に電話してみませんか。

心友は、いつだってあなたの気持ちを親身になって理解してくれるはず。

たまには両親に甘えてみたらどうでしょうか。

あなたの事を他の誰よりもわかってくれて、心配してくれるのは他でもない親御さんなのですから。

きっと言葉を越えた深い慈愛であなたを温かく包み込んでくれる事でしょう。

みんなの気持ちは一つ。
 
時が流れてまたあなたの笑顔が訪れる日を、真摯に願っているのですから……

2015年12月3日

Posted by TAKA