第117回「ずっと、ずっと、忘れられない人が思い出に変わる瞬間」
サッカー日本代表本田圭祐の大叔父でもある本田大三郎さん著
『本田の男は骨で闘う 本田圭佑、本田多聞を育てたオリンピアンの日本人の心を強くする言葉』
の一節で、次のようなフレーズが登場します。
外国の小説にこんな話があります。
ある老人が、若いころ結ばれなかった恋人のことを回想します。
もしも、あの時、彼女と結婚していたら、自分は幸せになれただろうか。
もしかしたら、結ばれなかった恋を、美しい思い出としてずっと胸に秘めつづけているほうが、幸せなのではないか、と。
P91より引用
前回のコラムで反響があったように、成就できなかった昔の恋人に対して、いつまで経っても忘れられなくて悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。
他の異性と出逢ってから改めてあの人の存在の大きさに気づかれた方の声もよく耳にします。
私自身も、今でも片思いが成就しなかった学生時代の相手や、別れた相手の中で、忘れられない人がいます。
あの頃の思い出が甘美な記憶として、いつまでも残っているのです。
ふとした瞬間に思い出すんですよね。
中には、40年以上の歳月が経っても、好きだった人を忘れられない方もいらっしゃるようです。
前述した老人の引用は、過去の恋人に対しての思い出を昇華できているようですが、その領域に達するのには、それなりの時間を要するものです。
あの人しかない。
もうやり直せないけれども、自分はずっとこの想いを抱えたまま生きて行くしかないんだ。
と、悲痛なつぶやきを残している方もいらっしゃいます。
もしも当時のあの人とまたやり直せたとして、自分が思い描いていた未来を紡ぎ出せるのでしょうか。
それは実際に実現してみないと分かりません。
一つだけ確かなのは、過去が堂々巡りしている中、今を生きるあの人は、もう自分が知る頃とは別世界を歩んでいることです。
何かを失った後には、チャンスが到来するものです。
目の前のチャンスに気づけるかどうかは、あなたの意識次第です。
もう自分は恋愛なんてできないんだ。
今、自分の殻に閉じこもっていたとしても、いつの日にか過去が完全な思い出へと切り替われれば、新しい出逢いが到来することでしょう。
出逢いのきっかけは案外傍にあるものです。
あなたも幸せを見つけるために一歩踏み出していいんです。
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