第165回「人生の虚しさが常につきまとっていたら」

2015年12月1日上手くいかない人生


一体自分の人生は何なのでしょう。


恋人もいない、休日に一緒に過ごせる友人もいない、仕事も非正規職員で将来性がない、やりたいことがない虚しい、何のために生きているのかわからない。

先行き不透明な人生に虚無感を覚えながら、淡々とこう話す方々が増えています。

  
何のために生きているのか、考えれば考えるほどその答えは遠ざかっていくように感じるものです。

頭をどれだけフル回転させても、そこに真実は示されないからです。


アンパンマンの主題歌「アンパンマンのマーチ」のイントロ部分をご存知でしょうか。


「何のために生まれて、何をして生きるのか、わからないまま終わる、そんなのは嫌だ」

 
この歌詞の背景には、戦時中に特攻隊として戦死された作者のやなせたかし氏の弟さんに対する鎮魂歌とも言われています。

私達もこのフレーズのように、ただ索漠とした日々を漫然と過ごしながら生涯を閉じていくのは不本意ですよね。

 
自分には才能もない。人間としても魅力がない。学歴がない。財力もない。人脈もない。

夢も希望もないんです。

こんな自分じゃなければ、すべてうまくいっているアイツのような人生を過ごせたのに・・・・・・。


自分にない魅力を兼ね備えている誰かと比較して劣等感に押し潰されてしまうこともあるでしょう。

果たして望むものをすべて手に入れたとしたら、心は満たされるのでしょうか。

 

豊臣秀吉が死に際に残した言葉で、下記のようなものがありました。

「露とおち 露と消えにし わが身かな 難波のことも 夢のまた夢」

あの秀吉が自分の人生は、夢の中で夢を見ているような儚い一生だったと振り返っていたのです。
  

秀吉といえば、貧しい農家に生まれて、織田信長の草履取りから異例の出世を果たし、ついには天下統一を成し遂げた歴史上の有名人です。

彼は地位も、名誉も、財産も、女性も、すべてを欲しいままにしていました。

一部エピソードを紹介すると、秀吉の築いた大阪城は、総面積100万坪を超えており、天守閣の瓦や壁に惜しげもなく金箔をほどこした黄金の城でした。

城内には「黄金の茶室」があり、天井、壁、柱、敷居まで、すべて金。

釜、茶杓、茶碗なども黄金で造られていたそうです。

京都には大阪城をしのぐ豪邸「聚楽第」を築いていたそうです。

お金を持て余した秀吉は、この聚楽第において「金くばり」をやっており、総額355,000両を、主だった臣下にばらまいた逸話が残されているそうです。

また、秀吉は各地から美女を集めていました。
  
正室「ねね」の外、側室が6人。
  
1593年のフロイス記録文書によれば、

「秀吉は、後宮に200人以上の女をたくわえている。

 連れてきた女は、1日か2日、手元におき、飽きると追い出す。

気に入った者は長く抑留しておく」

とあったそうです。
 
   
現代人の私達からすれば、贅沢の骨頂を極めているような生き様のように感じますが、その秀吉が最期に残した言葉が

「露とおち 露と消えにし わが身かな 難波のことも 夢のまた夢」
   
なのです。

人生の価値とは何かを深く考えさせられました。

 
秀吉とは対照的に、漫画北斗の拳の登場人物であるラオウの生涯最期の言葉として、

「我が生涯に一片の悔い無し」

といった名ゼリフがあります。

  
もちろん彼は秀吉とは違って架空の人物ですが、数十年前に残したこのメッセージが今日でもアニメ史に刻まれるほど評価されているのは、私たちの誰もが最期の時にこう振り返られるような人生を送りたいという思いが共通しているのだと思います。

 たった一度の人生です。

人のため、自分自身のため。

自分が何ができるのか。 
  
自分にしかできないことが必ずあるはずです。

その昔、アンパンマンのエンディングテーマに使われていた「アンパンマンたいそう」の冒頭で、

 「もし自信をなくして、くじけそうになったら、いいことだけ、いいことだけ思い出せ~」

 と言うフレーズがありました。

先の見えない将来に不安になった時こそ、過去に必ずあったはずの小さな成功体験を回顧してみて、自分をほめてあげることも大切です。

そこから自分が望む生き方のヒントが見つかるかもしれません。

 
あなたにしかできないこと、あなただからできる何かが必ずあります。

ほんの少しの勇気と行動を起こせれば、これからでも人生を再構築していけるのです。

後悔は先には立ちませんが、自信と充実感はこの先に芽生えていきます。

参考サイト:人生の目的特集 

2015年12月1日

Posted by TAKA