第156回「あなたのありがとうで世界は変わる」
人生に行き詰っている方の切なる声を聴いていて、私は常に思うことがあります。
人のために何か行動を起こしてみて欲しい。
自分のことでいっぱいいっぱいの時こそ、誰かが喜ぶ何かを試してみて欲しい。
恋愛や将来に絶望していて、上手くいかない今に立ち止まっている時に、もうなにもかもがダメで、この先明るい兆しなどあり得ないという究極的な発想に支配されてしまうものです。
かくいう私も、片思い失恋や、交際後の別れを通して、何度もそのような境地に達したので、自分の殻に閉じこもってしまうそのお気持ちはよくわかるのです。
でも、私自身が経験しているからこそ言えるのですが、自分をとことん追い詰めて、過去を後悔しても、沈んでいく一途なのですよね。
まさにこのような「木を見て森を見ず」の視点に固執してしまうのです。
自分を追い詰め出したら、過去を起点として妄想が止まらなくなって、世界にたった一人取り残されてしまったような孤独感が抜けなくなるのです。
相談室やメールでのやり取りを交わしていて、自分を責め続ける方の声が増えている今日この頃だからこそ、私は声を大にして再度伝えます。
たった何人かの人間に否定されたり、思うような関係を築けなかったからと言って、この先も幸せになれないなんてことはないのです。
私は10年かけて、いくどとなく唱え続けてきました。
でも、いつかその言葉を実感できることを信じて、発信し続けてきました。
自分が変われば世界も変わる。
自分のことでいっぱいいっぱいになっている今だからこそ、周りに目を向けてみて、ほんの少しの勇気で優しさを配ってみませんか。
今の世の中、あらゆる場面で自信を無くしている人間がいかに多いことか。
私がサイトに開設している相談室一つを見ても、その実態が分かると思います。
人のために生きること、人の喜ぶことを行動に移すのは楽ですよ。
私はずっとそうしてきました。
そういう誰かのために真心を移していると、必ず自分にも返ってきます。
他者を認めることで、あなた自身も受け入れて必要とされるようになるのです。
そこから新しい人生が動き始めるのです。
最近では、20数年間恋人がいなくて、いつも片思い失恋を続けてきたNさんから、互いを尊重して支え合える存在と出逢えたという報告が届きました。
恋人関係に進展するのに、時間はかからなかったそうです。
失恋の経験はどれも辛かったけれども、心の痛みが分かっただけでも無駄ではなかった、諦めなければ、自分に合う人間にこうやって巡り会えるものなのだと振り返っていました。
また、先日相談を聴かせてくださった方の中で、このような方がいらっしゃいました。
「自分はいつも相手に素晴らしいと思ったこと、イイナと思ったことを声に出して伝えてしまう。でも、いい人止まりになってしまうことが多くて悩んでいる」
私は、その話を聴いて、こう伝えました。
あなた様のような方がいるからこそ、好きになった方も支えられているはずですし、今の時代にもっとも価値のある行動であると。
私がなぜ10年間もこのような相談援助活動を続けてこられたか。
一番大きな理由は、「ありがとう」を伝えてくれる方の存在があったからです。
そんな心温かい方のエールがなければ、私はここまで継続できませんでした。
自分の大切な個性を自ら潰す必要はないのです。
みなさんの優しさをぜひ形に表してみてください。
そんな光を配り続けている方の周囲には、たくさんの「ありがとう」が返ってきます。
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