第175回「過去を理由にするのはもったいない」
はっきり言うけど、過去の成績は関係ない!
このインパクトがあるメッセージは、3年ほど前に東進ハイスクールの安河内哲也先生が発しました。
大切なのは過去ではなくて、今この瞬間である教えが凝縮されています。
なぜこのフレーズを冒頭に持ち出したかというと、日々上手く行かない恋愛や人生に苦しんでいる方に対して、このように痛切に感じることがあるからです。
ようやく好きな人ができて、デートにこぎつけて、告白したものの、実は相手には彼氏がいた。
Bさんは悲痛な表情でそう答えました。
いつもいつも恋愛がうまくいかなくて、今回こそはという決死の思いで告白したものの、お決まりの玉砕パターンが待っていました。
結局こうなったのは、自分に魅力がなかったからで、この先たとえ好きな人ができたとしても、また同じことの繰り返しになるのに違いありません。
そもそも振り返ってみれば、いつも自分から好きになっても、相手には彼氏がいたり、ようやく念願の交際に至っても、短期間で振られるというオチで、これはどう考えても自分に欠陥があるからなんです。
自分は誰かに好きになってもらえたことなんて一度もないし、考えてみたら親友と呼べるような人間も一人もいなかった。
学生時代にさかのぼってみれば、話下手な自分はいつも一人で、同級生からはからかいの対象のようなもので、自分に自信なんて一切なかったんです。
小学校時代を振り返れば・・・・・・
みなさんはこのBさんの悲痛な叫びを聴いてどう感じたでしょうか。
この後もBさんの上手く行かなかった過去話が止まることなく続きました。
自分を変えるために、自分を信じて告白という勇気ある行動に起こした。
そのことに意義があるのですよ。
このように私が言葉をかけると、ようやくBさんの自分語りが止みました。
でも、結局うまくいきませんでした。もう希望もなにもなくなりました。いつも同じような結末ですから。
Bさんは再び過去の上手く行かなかった自分モードに移り変わろうとしていました。
すかさず、私はこう述べます。
確かに今まではBさんが望んでいるような展開にはならなかったかもしれません。
でも、それはBさんに人間的欠陥があったから成就することが出来なかったと断定できるような話ではないのです。
私はそう返しましたが、Bさんの複雑そうな表情は変わりませんでした。
思考というものは長年経験してきた蓄積で構成されているものなので、一朝一夕で切り替えられるものではありません。
でも、上手く行かない今を過去の所為にしてしまうのはもったいないし、過去に執着し続ける限り、望む人生を過ごすことは出来ないのです。
自分は新しい行動を移した、結果はどうあれ自分の可能性を信じて努力した。
Bさんのように過去に失敗体験が多い場合は、なかなかそう素直に認めることはできないかもしれませんが、再生のカギはそこにあると私は考えています。
秋元康氏の『仕事学』という著書の中で、印象に残るフレーズがありました。
夢というのは、ぐーっと全力で手を伸ばした1ミリ先に存在しているんですよ。
そこで多くの人があきらめて、手をおろしてしまうのです。
例え今までが思うようにいかなかったとしても、自分の目標に向けて挑戦し続ければ、未来は変わっていくものなのです。
もしもBさんと似た境遇だとしたら、過去を理由にせずに、これからも行動を重ねて行かれることをオススメします。
自分を変えるためには、自らの意思で動いて経験を積む他ないのですから。
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