第173回「友達が離れている孤独感が拭えなかったら」

2015年12月1日上手くいかない人生

前回のコラムでは、


「友達が少ないからと言って自分の価値が低いわけではないのですよ。
その孤独感や劣等感があるからこそ、この先出逢う誰かの役に立ちますし、
一人の時間を大切にできる人間こそ魅力が増して出逢いが広がります」


と言ったメッセージを贈らせていただきました。

今回は、今まで傍にいた友達がどんどん離れていってしまう孤独感に支配されている方へのコラムとなります。

そう聞いて、ピンときた方がいらっしゃるでしょうか。

私自身も経験がありますし、周りの人間の話をうかがっても、多かれ少なかれ、このような思いをされた方はいるようです。

そう、「友達が離れてしまったことを経験しているのはあなただけではない」のです。

自分が魅力ないからだとか、自分に性格的欠陥があるから離れていってしまったと嘆いてしまう方もおられるでしょうが、中にはそうではない場合も往々にしてあります。

なぜ、そう言えるのかをこれから一緒に考えていきましょう。


友達が離れてしまう孤独感を痛感するきっかけとして、環境が変わった時が一つのタイミングです。

進学先が別々になった時、就職の都合で住まいが遠くなってしまった場面などがそうです。
それまでは友人と接点が多かったことで親睦を深められてきたものの、お互い新しい環境に身を投じたことで、人間関係が様変わりしますよね。

そうすると、旧友とは、必然的に連絡頻度が少なくなってしまうことは誰にでも経験があることでしょう。

就職が遠方になったことで、物理的に接点が少なくなってしまい、今までのように顔を合わせる機会が激減してしまって疎遠になってしまう場合も良くあることです。

勤務時間や休日がズレてくることも影響するでしょう。

また、相手に家庭ができたり、恋人ができたりすることで、今までのような距離感で付き合えなくなってしまうこともあるでしょう。

人間誰しも優先順位があるものですから、環境の変化によって今までの関係性を保てなくなるのは、自分の力や魅力だけの問題ではないのです。


そして、ここで再確認したいのは、本当に友達が自分のもとから離れてしまっているのかどうかという点です。


もしかしたら、自分から離れてしまっているということはないでしょうか。

人は環境によって、これまで維持してきた関係性が多かれ少なかれ変化するものだと語りました。

もしかしたら、その環境の変化の中で生まれたあなたの「感情」によって、自ら距離を開いてはいないでしょうか。

たとえば、自分は未だに独身で、恋人や伴侶がいない状況だとします。

仲の良かった友人にある日パートナーが出来てから、リアルで幸せそうな声を聴いていると、自分がみじめに思えてきて、これ以上黒い感情に支配されたくないがゆえに距離を置きたくなるような心境がきっかけの一つです。

これまでは対等な関係を築けてきた相手が、自分よりも高学歴、高収入、高実績だと思えるような人生を送るようになったことで、均衡が崩れてしまったように感じてしまうこともそうです。

成人式や同窓会に出席しない理由の一つとして、今の自分の醜態を晒したくないし、幸せそうなかつての同級生の姿を見たくないといった切実な感情を抱いている方も必ず聴く話です。
これまで語ってきたように、友達が離れてしまうのは、必ずしも自分自身に魅力が欠けているからだとは言い切れないのです。

そして、いったん離れてしまったように感じていた仲でも、しばしの時間が経ってまた再開することだってあるのです。


私自身、5年ほど逢えなかった友人と昨年再会して、今では定期的に遊べるようになった事例もあります。

人は環境によって変わると再三申し上げましたが、その友人も5年間引き籠り生活を続けていましたが、そこから脱却して社会に進出したことで、こうして逢えるようになったのです。

本当に縁がある友達ならば、一年に数回しか逢わなかろうが、連絡しまいが継続できるものです。

私の知人の50代の方は、一年に一回年賀状という形で、写真つきで近況報告をする旧友でも、大切な友人だとおっしゃっていました。

「友達とはこういう関係であるべし」
「友達が多い方が人生は得だ」
このような固定観念に縛られなければ、もっと人間関係は楽になりますね。

2015年12月1日

Posted by TAKA