第112回「思い通りにならない時は、コペ転の法則を使ってみる」
コペ転の法則と言うと、いかにも胡散臭いようなネーミングに聴こえますが、由来は竹之下節子さん著の『専業主婦が社労士になった!―「コペ転」の法則で合格も開業も思いのまま!』から来ています。
竹之下さんは、専業主婦の生活から、自分を変えるために一念発起されて、難関の社会保険労務士試験に一発合格されました。
その後は、事務所を開業されて、同時に資格学校の講師も務めています。
コペ転とは、地動説を唱えたコペルニクスから由来していて、"コペルニクス的転回″の略だそうです。
科学的に難しいようなことを言っているように聴こえますが、物事の見方が180度変わってしまう事を比喩した言葉なので、身近で使える大切な視点のことを言っています。
竹之下さんの場合は、資格学校の講師になってから、視界が劇的に変わったと振り返っています。
今まで全く見えなかったものが、たくさん見えるようになった。
見え方が変わると、考え方も変わる。
知っていれば、私の人生はもっと違っていただろう。
今まで成功のチャンスをたくさん逃してきた。
とおっしゃっています。
恋愛によくあるパターンで、以下のようなケースがあります。
・こんなにも相手のことを想っているのに、態度が素っ気無い。
・「友達としてしか見れない」「気持ちが冷めた」という突き刺さるような言葉で振られた。辛すぎる。
・いつもメールを送ったり、デートに誘うのは自分ばかりで、いい加減に疲れてきた。
・自分だけが相手を想い過ぎていて、疲れ果ててしまった。こんな自分をわかってくれない相手に恨み、つらみの気持ちすら抱いてしまう。でも、そんな汚い自分が許せない。
このような悩みを抱えていらっしゃる方が実に多いです。
相手にもそのような態度を取る何らかの理由があるのかもしれません。
今は相手の気持ちが分からなくても、後になってその意味や真意が分かるようになる瞬間が訪れることもあるのです。
例えば、これまで振られてばかりだった人間が、初めて自分を好きになってくれた人の告白を断ったり、 恋人に自分から別れを告げる時には、相当な神経を遣うはずです。
相手を傷つけないように、自分を悪者にならないように、言葉を吟味するからです。
大好きになってくれた人を突き放すのは、辛いものです。
相手が自分を責めずに、「楽しかったよ」と潔く身を引いたりすると、後々まで相手の良い思い出が残って、後悔したりするケースも少なくはありません。
これまで断り続けていた人間が、初めて大好きな人に振られてしまった時も、振られる側の痛みを知ることになります。
その時初めて、「昔自分を振った(自分から振った)人も、このくらい辛かったんだ」と気づくことができるのです。
両者の立場というものを体験して、視野が広まるとはまさにそういうことです。
私に相談を寄せてくださる相談者様の中でも、
「相手の気持ちを教えてください」
「私たちはこの先どうなるのでしょうか?」
というような心理推測、未来予想を求める質問が少なくないですが、 私は「この二人は近い将来破局へと近づいている」と内心感じていても、ストレートに出さないようにしています。
その理由は、自分たちの恋愛のピリオドを他者が判定をくだすのではなくて、怖がらずに、自分の力で運命を切り開いて欲しいという願いを込めているからです。
第三者から、「こうに違いない」「こうしなさい」と指図されて、その通りに動いたら、後悔先に立たずになってしまう結果が多いのです。
自分の中で「こうしたい」という欲求があるのならば、目を背けずに、一歩踏み出す勇気を後押しするのが私の使命だと思っています。
きっと質問の答えは、他でもない自分自身が気づいているはずですから。
そういう意味で、あえて質問に答えなかったり、突き放すような発言をかける時もあります。
内心、辛い時もあります。嫌われることを覚悟で放つような場面もありますから。
「なんで、私が望むようなアドバイスをくれないのですか。もっと応援してくれると思ったのに」
と、非難されることもありました。
それでも、
今分からなくても、この先理解できる時が来る。今が一番の辛抱です。私は信じています。
という気持ちで、言葉を送っています。
この点は、私が相談者様にアドバイスをする立場になってから思考が変わりました。
例えば、昔学校の先生に何かと注意されていたけれども、社会人になってから先生の言っている言葉の意味が分かったと実感できる経験などもそうです。
相手の立場になって考えてみるようにしてみる。
時には自分の考えだけで判断せずに、第三者に意見を尋ねたり、相手にも気持ちも探ってみる。
シンプルのようですが、そういう当たり前のことを試行錯誤しているうちに、人間としても異性としても魅力的な存在に成長していくのです。
自分のことでいっぱいいっぱいの時こそ、コペ転の法則を意識するようにすると、確実に世界は広まります。
答えは身近なところにあるのですから。
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