第170回「恥をかいてこそ強くなる」その1
何であの時、あんな恥ずかしいことをしてしまったんだろう。
ふと独りになった時、フラッシュバックのように過去の恥ずかしい体験が蘇って苦しんでいる方は少なくはありません。
思い出したくもないような失態を回顧しては、自分の無力さに打ちひしがれてしまい、明日への希望を失ってしまっていたら、
ピンチはチャンスになる機転につながる
ことを、私の実体験からお話したいと思います。
私にも、ふとした瞬間に思い出すような過去の恥ずかしい体験の数々があります。
コラムの節々で描写している私自身の体験談はまさにその蓄積とも言えます。
今回は学生時代の痛切なエピソードをいくつか取り上げます。
時は中学時代に遡ります。
私の資格取得の原点ともなった忘れられない無力体験がありました。
それは中学3年で受検した漢検3級です。
資格・検定試験というもの自体が初めての挑戦でもありました。
当時、私は漢字の能力だけは自信がありました。
その理由は、小学校5年生の時に、「漢字博士」という称号を担任の先生から付与されるくらい漢字の成績が良かったからです。
年間を通してのテストの総合得点がクラスでもぶっちぎりで一位でした。
中学入学後になっても、「TAKA氏は漢字ができるやつ」という噂が広まっていたようで、正直天狗になっていた面がありました。
そんな私が自分の実力に箔をつけるために、漢検3級を受検したわけです。
そもそも絶対的な自信があった私は、一切漢検のための勉強には手をつけずに本番を迎えました。
本試験問題を目の当たりにして血の気が引く思いがしたのを今でも鮮明に覚えています。
1問目の読み問題以外、十中八九見たことがないような出題ばかりなのです。
茫然自失したのは言うまでもありません。
結果は200点中半分の100点ほどしか取れない惨敗ぶりでした。
学校で学ぶ単なる読み書きの出題だけではなくて、四字熟語、熟語の構成、対義語・類義語、同音・同訓異字といった複合的な問題だったため、無勉で挑むのには限界がありました。
泣きっ面に蜂と言わんとばかりに衝撃的だったのは、私以外の受検生全員が合格していたことです。
小学校当時はダントツで成績が良かった私でしたが、その後漢字に対しての取り組みが疎かになっていたことで、コツコツ学習してきた同級生達に追い抜かされてしまった現実を突き付けられた瞬間でした。
まさに、寓話アリとキリギリスのような思いでした。
初めて受けた検定試験によって、この先忘れられない敗北感が強く残りました。
二つ目のエピソードは、高校時代での出来事です。
私は生まれつき運動神経が悪く、物覚えが悪いことがコンプレックスだったのですが、剣道の授業でまさに露呈するような場面がありました。
剣道の先生が、メン打ちの見本として私を選定しました。
クラスメイト全員の前で、二人でやり方を示すわけです。
先生が私のメン打ちを受けるという手筈でした。
私は大勢の前で模範を示さなければならないプレッシャーと緊張から、正常な判断力がマヒしていたのだと思います。
先生の意図としては、私が先生の頭の直前で竹刀を止めるように指示していたようでしたが、私は先生の説明がよく把握できておらずに、先生の頭に直接メン打ちをしてしまったのです。
事を終えた後、険悪な空気で室内が覆われました。
刹那な沈黙の後、先生の口からたった一言、忘れられない言葉をかけられました。
「TAKA氏、お前使えねぇ、別のやつにやってもらうからお前は引っ込んでろ」
ダメなヤツの烙印を押されたかのようなショックと、晒し者のような屈辱感が同時に襲ってきて、私は穴があったら入りたいくらいの気持ちで部屋の片隅にたたずみました。
元来運動に苦手意識を持っていた私です。
拍車をかけるかのように、ますます億劫になってしまいました。
みじめで情けなくて、自己嫌悪でいっぱいでした。
続く
私にも、ふとした瞬間に思い出すような過去の恥ずかしい体験の数々があります。
コラムの節々で描写している私自身の体験談はまさにその蓄積とも言えます。
今回は学生時代の痛切なエピソードをいくつか取り上げます。
時は中学時代に遡ります。
私の資格取得の原点ともなった忘れられない無力体験がありました。
それは中学3年で受検した漢検3級です。
資格・検定試験というもの自体が初めての挑戦でもありました。
当時、私は漢字の能力だけは自信がありました。
その理由は、小学校5年生の時に、「漢字博士」という称号を担任の先生から付与されるくらい漢字の成績が良かったからです。
年間を通してのテストの総合得点がクラスでもぶっちぎりで一位でした。
中学入学後になっても、「TAKA氏は漢字ができるやつ」という噂が広まっていたようで、正直天狗になっていた面がありました。
そんな私が自分の実力に箔をつけるために、漢検3級を受検したわけです。
そもそも絶対的な自信があった私は、一切漢検のための勉強には手をつけずに本番を迎えました。
本試験問題を目の当たりにして血の気が引く思いがしたのを今でも鮮明に覚えています。
1問目の読み問題以外、十中八九見たことがないような出題ばかりなのです。
茫然自失したのは言うまでもありません。
結果は200点中半分の100点ほどしか取れない惨敗ぶりでした。
学校で学ぶ単なる読み書きの出題だけではなくて、四字熟語、熟語の構成、対義語・類義語、同音・同訓異字といった複合的な問題だったため、無勉で挑むのには限界がありました。
泣きっ面に蜂と言わんとばかりに衝撃的だったのは、私以外の受検生全員が合格していたことです。
小学校当時はダントツで成績が良かった私でしたが、その後漢字に対しての取り組みが疎かになっていたことで、コツコツ学習してきた同級生達に追い抜かされてしまった現実を突き付けられた瞬間でした。
まさに、寓話アリとキリギリスのような思いでした。
初めて受けた検定試験によって、この先忘れられない敗北感が強く残りました。
二つ目のエピソードは、高校時代での出来事です。
私は生まれつき運動神経が悪く、物覚えが悪いことがコンプレックスだったのですが、剣道の授業でまさに露呈するような場面がありました。
剣道の先生が、メン打ちの見本として私を選定しました。
クラスメイト全員の前で、二人でやり方を示すわけです。
先生が私のメン打ちを受けるという手筈でした。
私は大勢の前で模範を示さなければならないプレッシャーと緊張から、正常な判断力がマヒしていたのだと思います。
先生の意図としては、私が先生の頭の直前で竹刀を止めるように指示していたようでしたが、私は先生の説明がよく把握できておらずに、先生の頭に直接メン打ちをしてしまったのです。
事を終えた後、険悪な空気で室内が覆われました。
刹那な沈黙の後、先生の口からたった一言、忘れられない言葉をかけられました。
「TAKA氏、お前使えねぇ、別のやつにやってもらうからお前は引っ込んでろ」
ダメなヤツの烙印を押されたかのようなショックと、晒し者のような屈辱感が同時に襲ってきて、私は穴があったら入りたいくらいの気持ちで部屋の片隅にたたずみました。
元来運動に苦手意識を持っていた私です。
拍車をかけるかのように、ますます億劫になってしまいました。
みじめで情けなくて、自己嫌悪でいっぱいでした。
続く
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